← 課題の一覧へ

計画・予測

生産計画がベテランの頭の中だけにある

毎朝あの人が計画を組んでいる。理由を聞いても「こうするしかない」と言われる。 その人が抜けたら、明日から何も回らない。

計画の枠の上に、設備・人・材料といった制約が別々の部品として浮かび、ひとつが枠に収まっていない図

「AIに最適な計画を立てさせる」では、たぶん現場が使いません

計算そのものは、いまの技術で十分できます。 それでも導入がうまくいかないのは、出てきた計画に対して現場が「これはできない」と言うからです。

あの機械は午前中しか空いていない。あの工程はあの人しかできない。 この材料は前日に出しておかないと使えない。こうした制約が書き出されていない状態で計算すると、毎回却下される計画が出てきます。そして数週間で誰も見なくなります。

計画を立てる仕事を、実際の順番に分けると4つになります。

  1. 1

    制約を書き出す

    何ができて何ができないかを洗い出す。ここが全体の9割で、しかもベテラン本人も自分が使っている制約を全部は自覚していません。

    属人化の正体は計算の速さではなく、この制約の知識です。

  2. 2

    組む

    制約の中で順番を決める。制約さえ揃っていれば、この工程は機械が得意とするところです。

    ここだけを見て「AIでできる」と判断すると、必ず外します。

  3. 3

    追随する

    当日になって欠勤や設備トラブル、飛び込みの注文が入る。朝の計画がその時点で崩れます。

    組み直しの速さが、実務では精度より重要になります。

  4. 4

    振り返る

    計画通りにいかなかった理由が、どこにも残らない。だから翌月も同じところで崩れます。

    ここを残す仕組みがないと、いつまでも学習が始まりません。

最初にやるのは計算ではなく、制約の言語化です

この課題で最も価値があるのは、ベテランの頭の中にある制約を外に出すことです。これは計算の仕組みが無くても始められますし、 仮に計画づくりを自動化しないと決めた場合でも、引き継ぎ資産として残ります。

そして進め方にはコツがあります。一発で完璧な計画を目指さず、却下されるたびに制約が1つ増える、という設計にすることです。却下を失敗ではなく収集の機会として扱えると、 数ヶ月で実用に届きます。

AIが効くのは、この3箇所です

制約を聞き出して形にする

過去の計画と実績を見比べて「なぜこの順番だったのか」の仮説を出し、本人に確認する。ゼロから面談するより、はるかに早く集まります。

崩れたときに組み直す

朝の計画が崩れた時点で、制約を守ったまま組み直す。速さが価値になるのはここで、人が手で直すと昼までかかります。

却下された理由を貯める

現場が直した箇所と理由を残していく。これが溜まるほど、出てくる計画が現実に近づきます。

計画を機械が出すようになると、責任の所在が曖昧になります。うまくいかなかったときに「システムがそう言ったから」となると、 現場は従わなくなります。最終的に決めるのは人である、 という線をどこに引くかを、導入前に決めておく必要があります。

工程を扱う仕組みは、自社ですでに動かしています

私たちは解体業向けに工程の管理を作り、ガントチャートや、 棟ごと・3週間・3ヶ月といった単位での管理を本番で動かしています。計画を持ち、変更に追随し、実績と突き合わせるという骨格は、業種が変わっても共通です。

一方で、段取り替えや設備の取り合いといった制約は、業種ごとに中身が違います。 ですのでこの領域は、制約の洗い出しから小さく始めるのが現実的です。制約さえ揃えば、計画を組む部分は機械が得意とするところです。

工程管理の実物を見る(解体AI SaaS)

どこまでできるかは、制約の数を数えてみないと分かりません

扱う品目の数、設備の数、段取り替えの有無、人の資格の制約。 この組み合わせによって、計算で解ける問題なのか、 人が決めるべき問題なのかが変わります。 制約が少ない現場では、そもそも仕組みが要らないこともあります。

いま計画を組んでいる方に30分伺えれば、使われている制約をいくつか書き出して、 自動化で解ける範囲かどうかをお出しします。解けない規模だと判断したら、その理由をお伝えします。