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見積・原価

見積が属人化していて、その人が休むと止まる

単価をどう置いたのか、なぜその金額なのかが、本人の頭の中にしかない。 その人が休むと見積が出せず、退職の話が出るたびに冷やりとする。

見積を層に分けた図。数量や単価の層は構造化されているが、最後の調整の層だけが中の見えない塊になっている

「過去の見積をAIに学習させる」では、たぶん解決しません

この話でよく出るのが「過去の見積が何百件もあるから、それを学習させられないか」です。 ただ、ここには落とし穴があります。過去の見積に残っているのは結果の数字だけで、そう決めた理由が入っていません。同じ内容でも、あのお客様だから、あの時期で手が空いていたから、 次の仕事に繋がるから、と単価は動いています。

理由の入っていないデータから学習させると、もっともらしいけれど根拠を説明できない金額が出てきます。見積は説明できないと通りません。

見積を作る仕事を、実際の手の動きに沿って分けると4つになります。 属人的なのはどこか、思っている場所と違うことがよくあります。

  1. 1

    読む

    図面や現地、口頭の条件から、何をどこまでやるのかを掴む。書かれていない前提を読み取る部分で、経験が効きます。

    ここは経験の差が出ますが、聞き出す形にはできます。

  2. 2

    拾う

    数量を拾い出す。面積、本数、重量。手間はかかりますが、やり方は決まっていて、人によって答えが変わる部分ではありません。

    手間は大きいのに、実は属人的ではない工程です。

  3. 3

    当てる

    拾った数量に単価を当てる。この単価がどこから来ているのかが、社内のどこにも書かれていないことが多いところです。

    「相場」と呼ばれているものの中身が、その人の記憶です。

  4. 4

    調整する

    最後に全体を見て「このくらい」と数字を動かす。値引き、リスク上乗せ、戦略的な調整。この工程だけは、どこにも記録が残りません。

    属人性が最も濃いのはここです。しかも誰も自覚していません。

自動化されがちなのは2番、本当に困るのは4番です

ご相談は「拾い出しが大変」から始まることが多く、実際そこは手間です。 ただ、その人が休んだときに本当に止まるのは3番と4番のほうです。拾い出しは他の人でもできますが、単価の根拠と最後の調整は代われません。

つまり2番を自動化すると作業は速くなりますが、属人性はそのまま残ります。「効率化したのに、あの人がいないと出せないのは変わらない」という状態は、こうして生まれます。

AIが効くのは、この3箇所です

拾い出しを機械が持つ

図面や仕様から数量を拾う。手間の削減として一番分かりやすく、効果もすぐ出ます。ただしここだけでは属人性は解けません。

単価の根拠を言葉ごと残す

金額だけでなく「なぜこの単価か」を一緒に残す。次に同じ条件が来たときに引ける形にしておくことが、引き継ぎそのものになります。

過去との差を先に見せる

似た案件と比べて、どの項目がいくら違うかを出す。ベテランが最後に何を動かしたのかが可視化され、調整の理由を聞き出せます。

根拠のない金額をAIに出させるのは、避けたほうがよいと考えています。見積の数字が外れたときの行き先は、失注か赤字のどちらかしかありません。 出すのであれば必ず根拠と一緒に出し、人が最後に判断する形を崩さないことをお勧めしています。

この課題は、自社ですでに解いています

私たちは解体業向けのAIシステムを自社で開発し、実際の現場で毎日動かしています。 見積のグリッド、原価の内訳、注文書・注文請書、請求、支払までが ひと続きになっていて、見積の数字がそのまま原価管理に流れます。

「作れます」ではなく、動いている画面をお見せできます。業種が変われば拾う対象も単価の考え方も変わりますが、 「単価を根拠ごと持ち、見積から原価まで一本で繋ぐ」という骨格は、そのまま載せ替えられます。

動いている実物を見る(解体AI SaaS)

どこが属人的なのかは、御社の見積を見ないと分かりません

属人性が拾い出しにあるのか、単価の置き方にあるのか、 最後の調整にあるのかは、扱っている商材、お客様の数、 見積を出す頻度によって変わります。 拾い出しが自動化できても、単価の根拠が残っていなければ引き継げません。

直近の見積を3件ほど見せていただければ、どの工程に経験が効いているかを切り分けて、 最初に形にすべき1箇所をお出しします。ベテランの方に30分ヒアリングするだけで済むなら、開発せずにそう申し上げます。